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「社内で上に報告したいので資料を下さい」の持つ危険性

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どうもnabeです。
社会人として働いているとこんなセリフを聞くことがあると思います。

担当者
担当者

社内で上に報告したいので資料を下さい

こういう時、言われたまま資料を送付していませんか?
今回はこういった場合の危険性と対処法をお伝えします。設計事務所勤務として働く人だけでなく、他業種での仕事でも参考になる内容や持つべき視点があるかと思いますのでぜひご覧ください。ちなみにこれはクライアントや上司に説明するときにも役立つ視点ですので、ぜひ身につけて下さい。

設計事務所の仕事術打合せ編も併せてどうぞ

なぜ危険か

まず、なぜ危険かについて説明します。
上司に報告する=何かしらの意思決定を必要としている
ということです。
賛成にせよ反対にせよ意思決定を明確にしていただければ良いのですが、時には全然違う議論になることもしばしばあります。そうした場合、今まで担当者と積み上げてきた内容がぱあになります。

当然、プロジェクトをより良いものにするためクライアントの意見を十分に吸い上げて反映することは重要です。しかし、コストやスケジュールとも折合いをつけていきながらプロジェクトを進めていくことも同様に重要です。
再検討に際し、コストやスケジュールも併せてクライアントに調整していただければ問題無いですが、実情はそうではありませんよね。

一方、経緯を知らないクライアントの上司からすると「なんでこうなっているんだ」と言いたくなる気持ちがあるのは当然です。ですので、その想いをくみ取りながらべストな伝え方をし、その上でいただいたフィードバックをもらう方が建設的です。

大事な4つの視点

ではどうしたら良いか。
大事な視点を4つお伝えします。

使途を確認する

まず確認すべきは「使途」です。
使い道はいろいろありますが多いのは”社内や部内ミーティングで各プロジェクトの進捗を共有・報告するため”です。これであれば特に問題はありません。
問題(というと語弊がありますが。笑)なのは
”上司から判断を仰ぐため”や
”上司が変わって説明をするため”に必要な場合
です。

こういった場合は上司の返答によっては大幅な見直しや変更が伴う可能性があります。したがって、資料を求められたらただ言われたまま渡すのではなく「何用ですか?」と尋ねてみましょう。

勘違いして欲しくないことは、
大幅な見直しや変更が伴うこと自体を否定してはいません。
妥当性がありコスト、スケジュールが合えばぜひすべきです。無意味な見直しや変更を極力無くす、というのが主旨です。

意思決定すべき個所を明確にする

仕事において何においても重要なのは”目的”です。使途が分かったら次はどこまで上司の意思決定を必要としているかを確認します。
例えば設計事務所勤めでホテルの設計やデザインをしているなら
・顧客イメージやホテルブランドに対するコンセプトのブレが無いか
・必要客室数、平米数が確保できているか
・各種共用施設の数、配置が妥当か
・デザインのイメージが共有できているか

など多岐に渡ります。

意思決定を必要としている個所を明確化しないでただ資料を出すと、
これはどうなっているんだ、とか、ここはこうじゃない、とか、一番決めたいこと以外の意見が色々言いたいことが出てくるでしょう。

従って、事前に担当者とこのフェーズのこのタイミングで上司に報告する意味は何か、意思決定を必要としていることは何か、というのをしっかり話しましょう。そのために不必要なものがあれば資料から削除してシンプルに伝えるようにしましょう。

必要客室数、平米数が伝えたいなら、Excelで作った面積表、各階平面図くらいでOKですよね。そこにパースとか素材のイメージを載せたままにしていると「色が暗い」とか「石を使った方が良い」とか別な話になります。そういう話は切り離した資料になるように心がけましょう。

とはいえ、ここはどうなっているの?あれどうなってるの?と聞かれることもあるので、そのための補足資料は別途用意しておきましょう。

伝える方法を明確にする

伝えるべき内容が明確になったら次はそれを伝える”方法”を明確にします。
上司が忙しいから「見ておいて下さい」と渡しっぱなしにするのか、それとも資料を渡して丁寧に説明するのか、スライドを使ってプレゼンをするのか、はたまた設計事務所の仕事だとクライアントに模型を貸して説明することもあります。

どういった方法で行うかによって資料の構成が変わります。丁寧に説明するなら言葉で補足できる部分が多いですが、上司に渡しっぱなしという場合はこちらの意図を正確に伝えるための言葉や図などをきちんと入れ、直接の説明が無くとも分かるように資料を作る必要があります。

この場合資料作成に費やす時間もある程度必要になるため、スケジュールにも影響が出ます。伝える方法によって資料の作成時間も変わるので、先方のスケジュールにも影響があるということを頭に入れておく必要があります。

必要に応じて同席する打診をする

今まではあくまでクライアントの担当者が上司に説明する、というパターンでしたが必要に応じて”同席してこちらから直接説明する機会を設けてもらう”のも手です。

直接の説明となると準備が必要になりますが、プロジェクトがうまくいくことを考慮したら時間と労力をかけるべき場面でもあります。クライアントの上司としても、直接我々の提案への想いや経緯を聞いた方が腑に落ちやすく、また自分の意見を直接言えることでプロジェクトの想いを我々に過不足無く伝えることが可能です。

我々は建築設計のプロです。渡す資料もプロが作ったものです。しかし、それを説明する担当者はそうではありません(建築に深い造詣がある人も多々いますが)。それを考えると我々で説明するのがベストなこともあります。目的は司の意思決定をもらうことであり、担当者が伝えること自体は方法にすぎませんからね。

もちろん担当者の社内戦略的に設計者と上司を会わせるべきタイミングではない、等の思惑がある場合もあるのでそこは確認してみて下さい。

まとめ

気軽に言われる

担当者
担当者

社内で上に報告したいので資料を下さい

ですが、気軽な気持ちで送ると痛い目を見ることがあります。したがって、円滑にプロジェクトを進めるために上記のことを意識して確認をした上で仕事に臨むと、よりスムーズに業務が進むのではないでしょうか。

”目的や方法を明確化すること”は今回のような話に限らず仕事を進める上で常に考えるべきことです。こういった視点を常に持ち、仕事に取り組んでみて下さい。

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