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【建築パース】建築CGを外注する際に注意すべき8つのこと

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どうもnabeです。
建築の設計をしているとどうしてもパースの作成数が多い時やその他のプロジェクトが繁忙な時やコンペなどで提案資料作成に手いっぱいでCG作成まで手が回らない時に外注をする時があります。

そんな時に注意すべきポイントをまとめました。

これから外注をしようと思う人や反対にパース作成を受注したいと思っている人にも発注者とやり取りする際の参考になるかと思いますのでぜひご覧ください。

納期を確認する

当然のことですがまずは納期を確認します。
伝えるべき情報としては下記3点です。

パースの枚数
②納品日

おおよそのアングル

パースの枚数と納品日

枚数が多ければ多いほど当然納期はかかります。また、外注先も1つの仕事をしているわけではないのでその他のプロジェクトで繁忙な場合人数が足りず、予想より時間がかかることが多いです。なので外注しよう!と思ったら、作成指示を出せるかどうかはおいておいて、外注先に作成の余力があるかを真っ先に確認しましょう。

海外のCG会社に外注する際はその国の休暇に被らないかも確認しましょう。中国では旧正月があったり、欧米ではイースターや長い夏季休暇もあるのでそこに被ると納期がかなり変わってきます。初めに確認が必要です。

おおよそのアングル

次にアングルです。建築のCGと一言でいってもその内容は千差万別です。納期やコストに直結するアングルのイメージをざっくりで良いので伝えることです。アイレベルと鳥瞰では、鳥瞰の方が作りこみや添景入れ作業が大変なので、当然コストと納期がよりかかるのが一般的です。

初期段階で具体のアングルが決まらない場合でも、まず想定してるおおよそのアングルを決めて共有するとスムーズです。

このあたりを伝えておけばできるできない、コスト、納期がまず分かるので第一ステップとしてはOKです。

金額を確認する

次に具体のコストを確認しましょう。先述のアングル決めでおおよその金額が決まったら、詳細を詰めてゆきます。外注先によっては

修正は○回まで

と謳っているところもあるので、しっかり確認しましょう。その場合は通常よりも1度の指示を具体的に密度高く行う必要があります。

また、コンペによっては1度プレゼンしたもののクライアントが決めきれずに再提案をする、という時も多々あります。(あって欲しくはないのですが。笑)
その場合、すでにCGは納品されているので再度外注先と契約を結ばなければならず追加コストがかかります。もちろん追加で作業が発生するのでお金を支払うのが当然ですが、納期を過ぎてからの修正があった場合の金額の目安や軽微な変更は無料で対応してくれる、など各社対応が違うので事前に確認しておくと安心です。

超重要!アングルを決める

超重要なのがアングル決めです。
レンダリングだけならまだしもPhotoshopで添景を入れ始めてからのアングル変更は外注先に多大な迷惑をかけます。お金を払ってお願いしているので向こうとしては手戻りがあろうが問題ないですが、発注しているこちらとしては単純に今までの作業を無駄にすることになるので、こちらの求めている品質にたどり着かない可能性も出てきます。(作業時間が減るので当然ですよね)
アングル決めの手戻りだけは絶対に無いようにしましょう。

重要なのは自分一人で決めるのではなく、プロジェクトメンバーやもしプレゼンを社長や上司がやるなら最初の段階で承認を得ておきましょう。

アングルを決める時は、
「そのアングルで何を伝えたいか」
というのをしっかりイメージして決めると良いです。

また、建物のエッジがその他のエッジと被っていないかやアングルに対して地面と空の割合が偏っていないかなども同時に確認しましょう。
おすすめは使いたいアングルよりも少し大きめに作っておくことです。そうすることで多少トリミングをしても見せたいものをしっかり見せられるので、実際に資料にレイアウトする際の柔軟性が上がります。
理想形ギリギリでつくるとトリミングして建物や人が見切れる、となると見栄えが悪いので注意です。

また、アングルと同時に影の落ち方もこの時に決めましょう。

理想とするCGのイメージを共有する

さて、アングルが決まったら理想形を外注先と共有しましょう。
外注をする場合はオンラインでのやりとりが多くなりがちなのでイメージの共有が非常に大事です。ネットや雑誌などで理想とするCGがもし探せたならそれをお送りしておけばスムーズです。また、可能であれば理想とするCGの

”なにが重要か”

”どういう点が理想なのか”

を具体的に言語化しておくとより分かりやすく親切です。

できるだけの情報を渡す

さて、理想形が決まったら今度はできるだけ情報を伝えましょう。
建物の単体の情報だけでなく、周辺状況なども伝えると周辺ボリュームを入れる際の参考になります。日本の会社に頼むときは特に問題はないですが、海外の会社に頼む時は丁寧にやりとりしましょう。海外のCG会社は日本よりも安くて早いことがあり選択肢として挙がりますが、意思疎通がうまくいかないと手戻りが多く結果的に時間がかかったりしてしまうので注意です。

道路を走っている車が右車線を走っていたり、方角が適当で太陽光がありえない方向から差し影が非現実的に落ちているもしくは本来落ちるはずなのに落ちていなかったり、沖縄が敷地なのに長袖やコートを着ている人がいっぱいいたり。。。

文化の違いがあるということを念頭に置き、しっかりと伝えましょう。アングル決めの際に影の落ち方を決めると言いましたが、向こうが親切心でそのアングルに相応しい良い感じの影の落ち方にしてくれたけど実は存在しない太陽の当たり方だった、なんてことになると目も当てられません。

車の車線くらいならかわいいものですが、建物を建てるに当たって影の落ち方や光の当たり方が間違っていたとなっていたら下手したら訴訟物です。どうしても外注する場合は人手や時間が足りなく、早く絵にしたいと思いがちですが、CG作成の肝は前捌きです。慎重に確認しましょう。

イメージはやりすぎなくらい具体的に伝える

さてモデルを渡してレンダリングを始めてもらう際にはイメージを

これでもか!

というくらい具体的に伝えましょう。私が個人でCG作成を請け負う側に立つ際に困るのが、先方のイメージがふわっとしていたり素材などを未決定にしたままな時です。

例えば素材だったら実際にメーカーのカタログから画像を拾ってきて送ったり、類似建物の画像を送るなどして伝えます。また、類似建物の写真の場合はそのまま送らずに、きちんと赤線で囲むなどしてここの部位だよ!というのを明確に伝えましょう。

CGを外注する際だけでなく、人に指示する際に”なんとなく分かるだろう”という気持ちで手間を省いていると、のちのち結果的に時間がかかってしまいます。さぼらず面倒くさがらず丁寧に指示をすることが、他人と協働してより良いものを作っていく時のポイントかと思います。

添景の指示の場合は具体の品物イメージを送りましょう。


人を入れる場合はその建物に来るターゲット層や地域にいそうな人を入れることでリアリティを出します。また想定されるアクティビティも伝えるとより良いです。
”お茶する4人組”
”ベンチに座るカップル”
”芝生で遊ぶ子連れ”

などなど言葉や具体のイメージ写真で丁寧に伝えられると親切です。

植栽も丁寧に確認しましょう。できれば樹種リストと参考写真があると良いです。あくまでCGなので多少は良いかもしれないですが、植生的に明らかにあり得ないものがあると不自然です。特にLumionやTwinmotionなどは海外のソフトなので国内の案件に適していない樹種も多々あります。これらのソフトで先方が作成している場合は植栽が明らかにおかしくないか要チェックです。

小まめにやりとりする

イメージを伝えたら小まめにやり取りしましょう。
向こうはこちらに作成したCGを投げたらその後は修正指示を待つだけです。コンペなどで忙しいとどうしても指示を後回しにしてしまう時がありますが、その場合せっかくの人出を無駄にしていることになります。人ができることは人にどんどんお任せしてゆくことを意識して仕事をし、効率的で高品質なものを作っていきましょう。
なんでも自分でやりたがる人は要注意です。

Photoshopデータ(PSDデータ)やレイヤーマスクは貰えない

納品されたらこちらで微調整しましょう。
ただし、基本的にPSDデータやレイヤーマスクは貰えないと思っていた方が確実です。
外注先の生命線でもあるのでそこは貰えないと割り切っておいた方が良いです。
建築設計でも気軽にCADデータは渡せないですよね?そんな感じです。

まとめ

今回はCGを外注する際の注意点をまとめました。
人にお願いをする場合の意識すべき点は何もCGを外注するだけでなく人と仕事をする場合全てに共通します。この意識づけをするとより良い仕事ができるのではないでしょうか!

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