一級建築士 建築 日常

【退去時の修繕費トラブル】一級建築士vs管理会社【後編】

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nabeが体験した、マンション退去時の修繕費トラブルの後編です。
前編をまだ見ていない方はこちらから

一級建築士であることを最大限に生かし、反撃を試みました。

見積りの妥当性を自ら検証

実際に立ち合いができていなかったため、管理会社Bから送られてきた見積りは何を根拠にクロス張替え面積や単価を決めているのか、妥当性が不明でした。

聞いたとしても、

管理会社B「面積や単価は実際の施工業者が言っているので、うちからは何とも。。。」

と何度聞いても煮え切らない様子。

顧客に聞かれたことを”施工業者のことなので分かりません”と言ってしまうのは仲介業者としてどうなの?その調整を行うことが業務なのでは?
と言いたかったですが、埒が明かないので止めておきました。

こうなったら自分からやるしかない。

ということでやったことはこちらです。

  • 傷や汚れの有無の検証
  • 単価の検証
  • 面積の検証

1.傷や汚れの有無

入居時に部屋を撮影していた記憶があったので、管理会社Bが言っている傷や汚れについて、nabeの入居によるものなのかを明確にしようとしました。
HDDから過去の画像を探し出し、さらに、その画像がきちんと入居当時に撮影したことを示す画像も併せて送付しました。

左下の撮影日時を見ていただければわかる通り、撮影日時が入居当時のものと証明できる日時になっています。
その次に、各部分の写真をコメント付きで送付しました。これによって、入居当時より汚れやへこみがあったことを示しました。

汚れ有
汚れ有
へこみ有

自分で自覚ありますが、相当うざいやつだと思います。
しかし、心を鬼にして責任の所在をはっきりさせました。


2.単価

設計をやっている方はご存じだと思いますが、壁紙の金額なんてしれてますよね。
見積もりを見ていただくと単価が1200円/㎡になっています。
見積もりには単価と数量しか記載されていませんでしたので、材だけの見積もりであると判断(人件費等は見込んでいない)しました。

普通の賃貸の専有部で使われるクロスというのは、性能もデザインも本当に普通の一般的な量産クロスです。飛び抜けて高い訳はありません。
壁紙メーカーさんからもらったカタログの単価を送付し、せいぜい1000円/㎡ですよね?と言いました。

が、これは結果的に変えてもらえませんでした。


3.面積

ここが一番頑張りました。
契約時にもらった物件情報の面積と実測からCADを使い図面をおこし、見積もり数量が妥当ではないことを証明する作業を始めました。


まずこちらが契約時にもらった図面

図面と実測をもとにリアリティのある寸法に落とし込んでCAD化したもの

コメントから分かるように、イライラしてますね。
この書き方は良くなかったなと反省です。

また、クロスの貼っている範囲を明確にするために、細かい部分の寸法の根拠を写真と共に送りました。

一般的な低層の賃貸マンションなので天井高さを約2400mmと設定し、
ユニットバスの入口部分、キッチンの置いてある部分、キッチン壁のタイル部分など壁紙が張られていない範囲を算出しました。

そうすると、業者が見積もっていた18㎡よりも明らかに小さくなるではありませんか。

なんということでしょう
独身一人で生活していた1Kの壁紙面積は、こんなにも小さくなりました。
これにはnabeさんも大喜びです (ビフォーアフター風)

これらの根拠を引っ提げて、管理会社Bに投げたのです。

先ほども言いましたが、
めちゃくちゃウザい奴だったと思います。
主観的に見ても思うくらいなので、担当の方は相当ウザく思っていたでしょう。

しかし、そもそもの事の発端は管理会社Bが施工業者の見積もりを精査せずにnabeに送りつけてきたのが原因です。
(まあそもそもは管理会社A・Bがごっちゃになったのが問題なんですが。。。)

ですが、このくらいやらないと向こうも反省しないと思いますし、そうしないとその他大勢の罪無き人々が同じ被害にあってしまいます。
正直この作業で3時間くらいかけましたが、結果的にクロス張替え部分は1㎡となりました。

戦いの終焉

出せる全てを出し切って数日後

勝ちました。(と言っても数千円払っているけど。)

最終的な見積もりのビフォーアフターはこんな感じです。

戦いの結果、一時は5万3千円程度だった修繕費用が

5万円減して3千円程度にすることができました!

戦った甲斐がありました。



そして、勝利のお祝いに浮いたお金で彼女と一緒に焼肉に行きましたが、
よくよく考えるとお金を貰った訳ではなく、金額が抑えられただけで出費には違いありません。結局焼肉代を合わせて合計1.5万円の出費で終わりました。笑

こうしてnabeと管理会社との戦いは終焉を迎えました。

めでたしめでたし

見積もりはしっかり確認&ごねるのは禁止

いかがでしょうか。
nabeと管理会社Bとの2週間に渡る戦いの模様をお伝えしてきました。

今回、私はたまたま建築士で設計の仕事を生業にしていたため、幸いにも見積もりの違和感に気付き、かつ知識と経験を基に交渉をすることができ、結果的に出費を抑えることができました。

しかし、一般の人たちはおそらく管理会社の見積もりが高いと思っても、なかなかハッキリと言えなかったり、例え言えたとしても言いくるめられてしまう可能性が大いにあります。

ですのでこの記事を参考にしていただき、例えば
このクロス高すぎません?
とか
部屋の大きさが20㎡でこのクロスの張替え面積は多すぎませんか?
とか
内見の時の写真はこんな感じでしたよ?
とか
こことここのクロスは分かれているので全部張り替える必要ないのでは?
とか

そういった交渉のヒントとかきっかけの1つになれば幸いです。

ただし

きちんと清掃をせずに汚れたままにしてしまった
とか
普通にかなり傷つけてしまった
とか

そういう心当たりがある人はきちんとお金は払いましょう。
払うべきものは当然払うべきですので。
この記事の内容はあくまでおかしいところを是正するためにやったことであり、
むやみやたらに金額を値切りたいのが主旨ではないからです。


また、今回出会った管理会社Bは適当だなーとは思いますが、決して対応が不誠実であった訳ではありません。
きっと普通の賃貸マンションの管理会社ってこんなものなんだろうなと思っています。
別に悪徳業者だとは思いませんが、悪意無くやってくるのでむしろ質が悪いかもしれません。

みなさんも同じ目に合わないよう気をつけて下さいね!

それでは良い新生活を。

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