今回はレンダリングソフトであるLumionとVRゴーグルのOculus Quest 2を用いて、VR用の360°パノラマパースの作成方法とそれをVRゴーグルで確認する方法を書いていきます。
モデリングをする
まずはモデリングを行います。
モデリングソフトは多々ありますが今回はSketchupを使ってモデリングを行いました。
モデリングしたデータをLumionに取り込む方法は別途記事をご確認ください。
Lumionと互換性のあるソフトは2021年5月のバージョンでは下記のとおりです。
Lumionでの360°パースのレンダリング方法
こちらがLumionにモデリングデータを取り込んだ時の画面です。
右下のフロッピーマークの左にあるボタンが360°パノラマのパースをレンダリングするためのボタンです。ここをクリックしましょう。
ボタンを押すとレンダリング用のページ画面に切り替わります。
下部の市松模様背景の部分にカーソルを持っていくとカメラマークと「撮影」の文字が出ます。カメラマークを押すと上部に表示されているパースのアングルを保存してくれます。
アングルが保存されると、先ほどまで市松模様だったところにパースの画像が出てきます。保存できた証拠ですね。
パースの画像に再度カーソルを持っていくと先ほどと変わって、カメラマーク、パノラママーク、ごみ箱マークが出てきます。
アングルを変えたい場合は上のパースのプレビュー画面を調整してカメラマークを再度押すとアングルが更新されます。このアングルは不必要だなと思ったらごみ箱マークをダブルクリックするとアングルが消えて、最初のような市松模様の背景に戻ります。
アングルが問題なければ「360°パノラマをレンダリングする」と表示されているパノラママークをクリックするとレンダリング設定画面に移動します。
右下に緑色背景で「レンダリング」とありますが、複数のアングルを同時にレンダリングしたい場合はこの緑色のボタンを、1枚ずつレンダリングしたい場合は描くアングルにカーソルを持っていって出てくる「360°パノラマをレンダリングする」のところをクリックしましょう。
こちらがレンダリングの設定画面です。
Oculus Quest 2で画像を見る場合はターゲットデバイスの項目は「一般的なデバイス」にします。なぜGearVR/Oculusじゃないのかは不明です…
各設定がどういう役割を持つかはこちらのHPを参照下さい。
今回はテストということで品質は中くらい、サイズはミディアムでレンダリングを行います。
保存する名前は自由ですが、最後に_360と入れるのを忘れないでください。
拡張子は.jpgでOKです。
理由としては下記の画像の通りです。
_360と入れることで普通の.jpg拡張子がパノラマ画像として認識されるようになります。
レンダリング時間はおよそ12分でした。
保存先のフォルダを開きます。
右下の_360と名前の最後についているのが今回レンダリングした画像です。
開いてみるとこのように、上下にパースが配置された1枚の画像になります。
これで素材は完成になります。
パソコンからOculus Quest 2にデータを移行する
さて素材ができたらデータの移行を行います。
今回はパソコンからOculus Quest 2に直接画像を入れて、VRゴーグルからデータを開いて確認できるようにします。
パソコンとOculus Quest 2をUSB-Cで接続します。
正規で購入した場合は充電器として付属されているのでそのまま使うことができます。
パソコンにUSB-Cのポートが無い場合は変換器を使う必要があります。
接続すると、Oculus Quest 2の方で「パソコンとの接続を許可しますか?」といった旨の確認画面が出るので許可します。すると下記のようにパソコン上でデバイスとドライブの場所にQuest 2と表示が出るのでダブルクリックしていきます。
DCIMというフォルダをダブルクリックします。
初めて開いたときはフォルダが空のはずなので、先ほどレンダリングした画像をコピーします。
これでパソコン側で行う作業は終了です。
Oculus Quest 2で取り込んだVRパノラマデータを見る
データが移行できたのであとは開くだけです。
Oculus Quest 2をつけ、視界の下部にある9つの丸があつまったアプリというアイコンを選択します。
その次の画面の一番右の項目にテレビという選択肢が出てきますのでこちらを選択します。
次の画面の左側にある「あなたのメディア」を選択すると、右側に「自分のデバイス」という個所が出てきます。ここに先ほど移行したデータが確認できますので、該当のデータを選択します。
データが開くと下記のような画面になります。
初めは元の画像のように上下にパースが並んだままになっているので、パース下部にある「360/3D」という個所を選択します。
そうすると下記のように正常に360°パノラマで見れるVRパースデータの完成になります。
こちらが実際にVRゴーグルをつけて見たものを画面録画した動画です。
360°パノラマレンダリングは立っている位置の変更はできないので、ウォークスルー(空間を歩き回る)をしたい場合はまた別な方法でのレンダリングが必要になります。
そのやり方はまた別途まとめようと思います。
My Lumionを使い360°パノラマパースをブラウザで見る
VRゴーグルが無い場合や毎回持ち歩くのが困難な時のために、LumionではクラウドにデータをあげることでURLでデータを共有できます。
特殊な機器が無くてもぐりぐりできるので、建築の専門ではないクライアントにも分かりやすいツールとして役立ちます。
こちらが実際のURLです↓
https://view.mylumion.com/?p=cyhxymworvq9ty3v
やり方は簡単で、360°パノラマレンダリングの設定画面で上部のタブでMyLumionを選択してレンダリングするだけです。
メールを送るというところに共有したい人のアドレスを入れるとURL付きのメールが配信されます。
空欄の場合は後からURLをコピーして送ればよいだけなので、まずはレンダリング後に自分で確認して品質に問題ないことを確かめてから共有することをおすすめします。
ちなみにこのMyLumionについて公式HPには下記の注意書きがあります。
MyLumionは現在ベータテスト中です。
https://lumion.com/mylumion.html
これは、サービスを「そのまま」使用できることを意味します。
すでにクライアントにリンクを送信することはできますが、サービスが中断されたり、要素が変更されたりする可能性があることに注意してください。
私たちはすべてをスムーズに実行することに専念していますが、サイトはまだテスト中であることを理解してください。
サービスはテスト状態のため、終了した場合消えてしまう恐れがあるとのことです。
なのでクラウド上にあげておくだけでなく、ipgデータなどの画像データとして別途保存しておく必要があるということですね。
実際は資料に入れ込んだり、画像データを使うことが多々あるのでクラウドに入れておくだけという人はいないと思いますが念のため。
まとめ
今回はLumionとOculus Quest 2を使った360°VRパノラマパース(静止画)の作成方法と見かたを書いていきました。
今後はVR動画の作成方法と見かたについてまとめていこうと思います。