みなさんは模型を作りますか?
設計事務所勤務の方や建築学生は少なからず模型を作ったことがあると思います。
また、模型は作って終わりではなく、模型写真を撮って提案書やプレゼンボードに載せることも多いのではないでしょうか。
その際に模型写真のクオリティを上げたい!と思ったことは多々あるかと思います。
今回はPhotoshopを使って模型写真のクオリティを上げる簡単なコツをご紹介します。
模型を綺麗に作る
いきなり元も子もない話で恐縮ですが、まずは模型を綺麗に作ることがクオリティの高い模型写真の第一歩です。
ただし、ここでいう綺麗というのは細かく作りこんでいるというよりかは、きちんと押さえるべきところを押さえているかということが重要です。
模型を作っているときにはあまり気にならなくても、アイレベルなどで写真を撮るとかなり粗が見えてきてしまうという経験は少なくないのではないでしょうか。
この粗をできるだけ少なくするために心がける点として、
■角をきちんと納める
→面取りして勝ち負けがつかないようにする
→スチレンボードなら面取りの紙部分が出ないようにする
→ピン角(直角)をしっかり作る
■水平垂直をきちんととる
→スラブはきちんと水平にする
また複数のスラブが平行する時はそれぞれが曲がっていないか確認する
→壁や柱は垂直に立てる
複数の壁や柱が並ぶときはそれぞれが曲がっていないか確認する
■のりのはみ出しを防ぐ
→細かい部分はつまようじやゾウさんを使う
→両面テープを使う
→ガラス部分は壁・床・天井のみこみにして、エッジで接着しないようにする
などが挙げられます。(本当はもっといっぱいあるけど)
人間の目は、単体だと水平垂直取れているかはあまり気にならないのですが、他のものと比較した場合は鋭敏に感じ取ってしまいます。
ですので、模型を作る時は時々一旦机に置いて、机から少し離れたところで立面的にチェックするとズレが分かりやすいのでお勧めです。
Before After 比較
早速ですがスタディ模型でのBefore Afterを比較してみましょう。

Before

After
作業時間は10分程度です。
スタディ模型を使っているのでそもそものクオリティがイマイチですが、
内容自体は 本模型でも使える 内容です。
実際にどういったことを行っているか見ていきましょう。
2点透視にする
まずは2点透視にします。
プロジェクトの空間構成によって2点透視にすべきでは無い時もありますが、
世のCGや建築写真を見てもらうと分かるように基本的には2点透視で見せることが多いです。
これを意識するだけで結構変わります。
ちなみにRhinoやSketchupでパースを取り出すときも同様です。
また、面倒な人は模型写真を撮影する際にシフトレンズのカメラを使うのも手です。
Ctrl+@ でグリッドが出てくるので変形ツールで縦横を合わせつつ、全体のボリューム感や縦横比がおかしくならないように調整します。

シャープにする
模型写真を撮るとどうしてもエッヂがぼやけてしまいがちなので、
フィルターからシャープをかけることで、パキっとした絵になります。

雑物を消す
そもそもの作りが悪いと、段差や細かいずれ、面取りの小口が非常に気になります。
こういった雑物を消すことで違和感の無い模型に仕上げます。
コピースタンプツールなどを使用しましょう。
テクスチャーを張っている場合や模型を分割して作っている場合、接続部分が線状に見えてきてしまい、模型写真にした瞬間に気になるので、そういったところも修正ブラシツールで修正します。

背景を変える
本来であれば背景がきちんとしているところで撮るべきなのですが、できなかった場合は背景を変えましょう。
空と地面が一体となった画像が模型と違和感なく合えばそれを使うのが手っ取り早いです。
また、Photoshopで切り取りやすいようにスチレンボードなどを背景に立てて撮影するのがお勧めです。

影を落とす
模型写真のレイヤーをコピーして、黒く塗りつぶしましょう。
その後影の形に何となく合うように変形します。



明るさ、コントラスト、彩度を調整する
これはどう見せたいかによって、
明るさだけの調整で良かったり、彩度の調整だけで良かったり色々ありますので、どういう見せ方にするかによって変えてください。
どうしても蛍光灯の下で白模型を撮影すると黄色っぽくなってしまうので、今回はできるだけカタチを見せるため白っぽいピュアな表現にしました。

このような手法を使うことで、スタディ模型のクオリティを上げることができます。
人や木など添景を入れればより完成度が上がります。


別な模型写真の場合

Before

After
上記同様に同じことを本模型で行ってみるとこのような感じになります。
どうしても模型写真を多く撮っていると、Beforeのように傾いたりしてしまうことがあります。
色味や明るさなどは時間が無くて難しい場合でも、
少なくとも水平垂直、2点透視を意識して形を整えるだけで印象がガラッと変わりますので、
それだけでもやる価値はあるかと思います。
まとめ
このようにして、模型写真をクオリティを高めることができます。
繰り返しになりますが、 模型写真は普通に肉眼で見るよりも色々と見え方が変わることを念頭に置きながら、しっかり綺麗に作ることが何よりも重要です。