昨今の働き方改革や、副業解禁の流れを受けて
副業をやってみようかなと思っている方も多いと思います。
今回は建築士であるnabeの経験を踏まえた、
建築士の能力を生かしてできる副業13選と気になる稼げる金額を紹介します。
CG・パース作成(1~15万 / 件)
CG(パース)の作成です。
建築の副業を思い浮かべた時にまずはじめに思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
おそらく建築設計をやっている方であれば誰しもが考えたことがある副業だと思います。
問題は
どうやって仕事を受注するか
に尽きます。
「建築、副業」で探すと、
Lancers、Crowdworks、STUDIO UNBUILD、ココナラといったクラウドソーシングのウェブサイトが出てくるかと思います。これらのサイトに登録し、モデリングやパース作成依頼の募集を見つけて、良さそうなものがあれば応募するのが一番手っ取り早いと思います。しかし、ここで問題が起こるのですが、如何せん単価が非常に安いんですよね。
パース1枚5000円とか、価格の暴落が起きているケースが多々あります。そして残念なことに、そういった単価の低いものでもなりふり構わず受注してしまう人が少なからずいるので、そういった募集は後を絶ちません。ひどいものだと3000円とか。
牛丼屋の価格競争じゃないんだから。。。
ですので、むやみやたらに募集に対して応募するのはnabeは推奨していません。自身のスキルに自信があり、正当でない報酬は受けるべきではないと思うからです。これは本業でも言えることですが。
自身の経歴やポートフォリオをきちんと載せていれば安い単価でなくとも受注はできます。実際nabeの業務は募集よりも直接連絡が来て受注する場合の方が多いくらいです。
そういった直接連絡をしてくれる方というのはポートフォリオや職務経歴書を読んでわざわざnabeを選んで連絡してくるので、単価や業務量、スケジュールに関しては交渉がしやすいですし、向こうも選んで声をかけてくれたいますので、無茶な要求をすることはありません。単価は少なくとも2500円/hくらいはいただけていますし、スケジュールは3日後!みたいな無理なものもありません。あなたをきちんとプロとして扱ってくれる良い発注者と仕事をしましょう。
そのためにはやはりポートフォリオ、職務経歴書はきちんと書いておくことが必要ですね。そして、受注がなかなかできないからと言って、例えば単価設定を1000円/hやパース1枚5000円と書くのはおすすめしません。安さで勝負していると、それ以外に安い人が出てきたら一瞬で終わりです。成果物で勝負できるようにスキルを磨きましょう。
図面作成(0.1万~30万 / 件 )
次に思い浮かぶのは図面作成作業です。
こちらはジャンルが色々あるのですが、多いものとしては
・CAD図の修正
・間取り図スキャンからのCAD化
・リフォームプラン作成
・確認申請書類作成
などが挙げられます。これらも先ほどのクラウドソーシングのサイトでよく見かけることができます。比較的CG・パース作成業務よりは仕事も多く見つけやすいです。しかし、単価はぐっと安くなります。できる人が多いので、どうしても安くなりがちです。
そんな中でも高いものが下2つです。リフォームプランの作成や確認申請書類の作成などは単純なCAD作業と比べて高度な知識や技術が必要とされるので当然単価は高いです。
その分あまり発注している人もいませんし、単価が高いと言っても要求される責任は大きい割にはやはり安いと言わざるを得ないので、応募している人も少ない気がします。
それでも20~30万円くらいの金額だったりするので、やってみる価値があると思う人には良いかと思います。
設計・監理(10万~ / 件 )
副業で設計・管理の業務あるの?と思うかもしれませんがあります。
大きく分けて、友人や親族など知り合いの建物を設計する場合とクラウドソーシングで募集しているケースの2つに分けられます。
前者は確認申請が不要な場合や、ベースの検討として、工務店や設計者に渡す前準備としてやるケースが多いです。後者はやはりクラウドソーシングで、多いのはリノベーションの企画・設計・監理を通しでやるケースですね。ただし、設計・監理になってくると副業に占める労力が大きくなってくるためもはや本業のような気がして気さえします。これは中々余裕が無いと厳しいと思います。普通に3か月くらい割とべったり業務をする必要があるので。
逆にやれる人が少ないので、継続的に受注するチャンスではありますので、時間や体力に余裕がある方は挑戦してみても良いかと思います。
モデリング(0.5万~ / 件 )
CG・パース作成に近いですが、これはモデルを作って納品するパターンです。発注者もモデリングはできるけど、複雑で難しいオブジェクトだけ単体で発注することがあります。ただし、建築というよりもキャラクターなど曲面が多いものが求められていることが多い気がするので、建築のモデリングしかしたことが無い人には少しハードルが高いかもしれません。
また、3Dプリンターで出力できるようなモデル作成や、3Dプリントしたものを納品するというパターンも結構あります。ただのモデリングと3Dプリントする場合のモデリングの作法というのは考え方が異なってきますので、無知な場合に受注すると失敗する可能性大ですので注意が必要です。
コンペ(0万~200万 / 件 )
コンペは副業と言ってよいのか分かりませんが、賞金が100万円くらいもらえたりするので設計やデザインの練習を兼ねて応募してみるのも手だと思います。本業にもつながりますしね。
有名どころだと、
日新工業建築設計競技 1等 100万円
セントラル硝子国際建築設計競技 1等 200万円
などでしょうか。
もちろんハイレベルなので生半可な提案じゃカスリもしませんが。笑
修行と思ってやってみるのも良いかもしれません。
動画編集(1万~20万 / 件 )
CG・パース作成の延長のようなものですね。建築の仕事をしているとプレゼンで動画を使う機会も増えてきていると思いますので、そこで得た技術を駆使すれば動画編集で稼ぐことも可能です。ただし、本業が映像関係の人と競合するので少しハードルは高いような気がします。また、映像だけでなく、エフェクトや音声の編集なども出てくるため、シーンをつないで視点場を移動するだけの建築パース程度のレベルだと太刀打ちできないと思います。
しかし、受注したらやるしかないので、逆にそういったチャンスをものにして成長できる機会にしていただければ良いかなーと思います。
また、結婚式の紹介ムービーなど比較的簡単なものであれば基本的な知識でもできるので、そういったものから始めるのも良いかと思います。
執筆(0.1万~0.5万 / 件 )
これらもクラウドソーシングで受注できます。
建築や不動産にまつわるコラムを書いたりすることが多いです。詳しい内容はその時々で変わりますので、発注者によって内容はさまざまです。
これは単価が1文字0.5円のような感じの単価設定が多いです。まあ安いですよね。例えばこのnabeの記事を書いたらおそらく2500円くらいにしかならないと思います。2時間くらいで書かないと少し厳しい感じですね。
アドバイザー業務(0.3万~1万 / 件 )
ココナラのような比較的一般の方が多いところで受注できます。
アドバイザー業務の内容としては例えばマンションの選び方を、建築士独自の目線で機能や構造設備などを含めてアドバイスをすることが挙げられます。
また、不動産屋との打合せや契約に同席するなどして、第三者の建築のプロとして中立な意見を述べることもあります。上記のCG・図面作成などと比べると一般の人に直接役立つ機会になるのでうまく口コミなどが広がれば依頼件数が増える見込みがありそうです。
予備校講師(0.25万~ / h)
建築士の予備校であるS資格やN学院などで講師をすることもできます。
講師にも2種類あり、登壇して教えるガチな講師と、TA(Teaching Assistant)のようにウロウロして補助的に講師をサポートする講師があり、前者は設計事務所を主宰している人が行っているケースが多いようです。TAの方をお勧めします。
時給は2500円/hというのを聞いたので、そこそこ良い方だと思います。また、製図の時は終日業務になるので超過時間は1.25倍になるのでめちゃくちゃ割が良いですね。
ただ、校舎の希望が通らないと遠い校舎まで通う必要が出てくるのでその辺りはある程度覚悟が必要かと思います。ちなみに講師向けに教材が渡されたり、研修もあるので安心してください。
1点、建築業界は狭いのでTAをしていると取引先の人や関係会社の人がいるケースが多々あるので、注意が必要です。笑
非常勤講師(時価)
これは大学などで講師をするパターンです。
大手設計事務所で名の知れた人やアトリエ事務所を主宰している建築家は非常勤講師として大学の設計演習を教えているケースがあります。ただし、そういった方々は非常に多忙を極めるので、最初の課題説明と中間エスキス、最終発表くらいしか行けなかったりします。なのでその他の講義に代わりに行けばその分の給与が発生します。また、講師が一人だと手が回らないので他に人を連れて行くというパターンもよくあるのでそこに食い込めればOKです。
ただし、これは枠がなかなか無く、また大抵は平日の昼に本業を離れなければならないので本業への負担が大きくなるのがデメリットとして挙げられます。笑
というかこれはもはや本業の内と言っても良いかもしれませんね。
不動産投資(場合による)
せっかくの建築のプロならばその知見を活かして不動産投資を行うというのも1つの手です。特に施主にデベロッパーがいる場合が多いので、色々と情報が入りやすい立場にいるのは事実です。もちろんインサイダーにならないように注意が必要ですが、開発が進んでるエリアはここだなー、とか工事費が増加しているので坪単価上がりそうだぞ、といった業務の中で様々な情報を得られるため、一般の方よりも肌感覚として不動産・建築業界の潮流を感じられると思います。そういったことを生かせばよりリスクの低い不動産投資ができるのではないかと思います。
また、不動産投資をすることによって(もちろん不動産ではない投資でも良いですが)、お金の勉強をするいいきっかけになります。お金の勉強をすることによって事業や会社の運営、契約関係やお金の流れなどを知ることができ、実務でも役立ちます。給与や経費、ボーナスや節税など普段は気にしないことを違った視点で見ることができるでしょう。日本人はマネーリテラシーが低いと言われており、また、建築業界では長時間労働薄給アトリエみたいな悪しき風習が(近年は改善しているような気がしますが)ありますので、お金の勉強をすることによって、会社の経営について理解を深めることができると、こういった悪しき風習が少しは改善するのかなーと思ったりしています。
さらにデベロッパーが施主の場合、まさに土地や建物によっていかに収益を上げるかを気にしているので、不動産投資を購入することによって同じようなマインドを持つことができます。事業性を考慮した提案というものがよりリアリティを持って感じられることでしょう。
ブログ(0万~10万 / 月)
ブログです。最近はnoteもあるので、noteの有料記事でも良いかもしれませんね。
ブログの場合は広告収入やアフィリエイト収入がありますが、前者はPV数を10万単位で稼がないとそれなりの収入にはなりません。また、短期的に効果が出るものではないので、1年単位で長い目で見ないと成果は出ないので、手っ取り早く稼ぎたい!という人にはお勧めできません。
nabeはブログ収入はもちろんありますが、それよりも今まで自信が経験してきた知見を整理するいい機会にもなっている面も大きいので引き続き継続して記事を書いていきます。
ものづくり(時価)
建築の仕事をしているならばモノ作りが好きな人が多いことかと思います。
自分で家具や雑貨を作れる人であれば、自分がデザインして作ったものを売って稼ぐことができます。例えば、
Creema: https://www.creema.jp/
iichi: https://www.iichi.com/
Stores: https://stores.jp/
などのサイトを活用することで自分の作ったものを販売できます。
こういったものづくりをすることで、素材の選定や構造や仕上げなどを考えるきっかけにもなりますので本業にも役立ってくるかと思います。
材料や器具の準備が必要なのでアトリエ的なものが欲しくなりますね。
おわりに
衣・食・住というくらいなので建築をベースにした知見というのは幅広く、副業と一口に言っても多岐に渡り、選択肢も比較的他業種に比べると多いのかなーと思います。ぜひ、あなたの設計力やデザイン力、PCスキルや知識を生かし、よい副業ライフをお送り下さい。
そして、あくまで”副”業ですので本業に差し障りのない程度に行って下さい。笑