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居住中のマンション売却を検討している人が行うべき4つのこと

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今回は一級建築士として数多くの高級マンションの設計・デザインをしており、かつ自身でも100戸以上のマンションを内覧し、購入実績があるnabeが

住みながらマンションを売却したい

と考えている人が行うべき4つのことについて書いていきます。

・次の家に引越すと同時に売却し2重の支払いを避けたい
・遠方に引越すため、できるだけ住んでいる内に契約を進めたい
・内覧申し込みがあるのに購入に至らない

などでお悩みの方の参考になれば幸いです。

居住中の物件は不利だという認識を持つ

まず、始めに認識を持ってもらいたいのが、居住中の物件は圧倒的に空室の物件よりも売却に不利だという事実です。
なぜなら、空室でクリーニング済みの賃貸マンションやすでに空室で物が一切無いマンションに比べて、居住中物件というのは圧倒的に持ち主(売主)の生活臭が出ざるを得ないからです。そしてこれを惜しげも無くさらけ出している売主の多いこと多いこと。

売却を成功させるためには、そのマンションがもつ価値を最大限にすることが必要です。
例えば、あなたが古着をネットショップで売るとしましょう。
その時に

ヨレヨレで洗濯前でシミがある状態で出品しますか?

しませんよね?

洗濯は当然行い、場合によってはクリーニングをして、クリーニング済みのタグをつけたままにしてクリーニング済みをアピールしたり、アイロンがけをして光のあたるところで綺麗な背景で写真を撮って出品したり工夫しますよね?

なのになぜか金額が大きい不動産でこれができていない。

あえて中古を買いたい人は少なく、みんな新築が良いけれども予算や立地などの条件でたまたまそれしか選択肢が無い、というのが実情です。なので中古マンションに前の住人の生活感は誰も必要としていないのです。必要とされていないのであれば排除する努力を必要があります。

そういう意味で、クリーニング済の賃貸や空室で物が無く空っぽの空き家の方が生活感が無いので購入しやすいんですよね。こういった視点をまず認識するところがスタートです。

生活を想像させる

では具体的に何をすれば良いか見ていきましょう。

生活感を消す

1つは生活感を消すことです。
生活をしながら売却することで費用を抑えることがメリットとなる一方、反対に言うとどうしても生活感が出ざるを得ない状況で売却をしなければいけないのがデメリットでもあります。

例えばごちゃついているキッチンやバルコニーに置かれた長年使われていないものや棚の上の突っ張り棒や壁に貼られた子供のシールなどさまざまです。

自分が買いたいと思う家はある程度小綺麗でいて欲しいと思うのは人として当然のことですので、できるだけ売主の日常が想像できてしまうものを排除しましょう。自分の購入する家に”他人の日常”が入り込むのは嫌だと思うのが人情です。ですので、”徹底的に”片付けと掃除をしましょう。

どの家もなんとなく片付けはしているのですが、正直甘いです。ダサい大きいタンスがそこらへんに置かれていたり、バルコニーに捨てられないまま放置されている粗大ゴミ(古い扇風機とか)が置いてあるケースなど多々あります。そういったものは早めに売るなり処分するなりしましょう。

とはいえ住みながら片付けや清掃を徹底的に行うことも難しいので、プロの力を借りるのも手です。例えば野村の仲介ではホームクリーンアップというサービスを行っています。

居住中の物件を売却する場合、重要なのは購入検討者様がどのような暮らしが送れるのかをイメージしてもらうことです。

「生活感」「個性」を減らし、お持ちの家具や室内に小物をデコレーションし、“ホテルのような空間”を演出します。

http://www.nomu.com/plus/cleanup/

できるだけニュートラルなイメージを作るお手伝いをしてくれます。

http://www.nomu.com/plus/cleanup/ 

また、特に印象を左右する水回りの清掃も行ってくれるので大助かりですね。

また、もっとシンプルなクリーニングサービス荷物の一時預かりサービスなどもあるので検討してみても良いのではないでしょうか。

ライフスタイルを作り上げる

2つ目は逆の発想です。
このライフスタイルすてきでしょ?というのを明確に打ち立て、魅力的でおしゃれな空間を作り上げる方法です。

ただ、建築デザインの仕事をしている自分の目から見て、おしゃれだなーと思える部屋は今まで見てきた中で1割にも満たないです。実際に出来る人は限られているかな、と思います。また、個人の嗜好が出すぎるのも良くありません。ハマる人にはハマるかもしれませんが、奇抜すぎるおしゃれは一般の人にはなかなか理解されないので。

しかし、自分のインテリアに自信が無いよ。。。
とうい方でも利用できるサービスがあります。
それはホームステージングです。

「ホームステージング」とは、売却する予定の物件に家具や小物でインテリアコーディネートを加え、モデルルームのように購入検討者により良い印象を与え、売却を円滑に促すためのサービスです。

インテリアコーディネートとは違い物件の購買層を把握・意識し、ターゲットに向け「売れる物件」を演出します。

https://homestaging.co.jp/about-home-staging
http://www.nomu.com/plus/staging/#about

売却期間は平均して42日 価格もUP

3ヶ月~半年は買手が見つかるまでにかかると言われている物件もホームステージャーが「売るための」ステージング(演出)することにより平均すると1ヶ月程度で買手が見つかり、売却価格もホームステージングする前と比較して高い金額で売却できているというデータがあります。 私たちが日本でサービス提供したお客様も売却期間、売却価格に大変ご満足いただけております。

https://homestaging.co.jp/about-home-staging

その他にもSTYLICSというサービスではおしゃれな家具をレンタルすることが可能です。
家の家具がイマイチだなーという方はこういったサービスを使って空間演出をするのもありです。気にいった家具は購入することもできるので売却が決まったらそのまま新居へ持って行くこともできますね。荷物の一時預かりサービスなどと併用してもいいかもしれません。

コーディネートには自信があるけど物が無いという人におすすめです。

空室マンションとの比較

空室マンションではリノベーションやクリーニング済み、ホームステージングが当然のように行われており、これらのマンションを多々見てきましたが何もしていないマンションや生活感満載のマンションと比較して印象が段違いで良いです。

新築マンションでもモデルルームを作って様々なデザインやテイストの部屋を見せてライフスタイルをイメージさせる常套手段を使っています。

やはり住宅というのは住み手が自分自身のライフスタイルを表現・実現する場所であるので、こういった戦略は効果的です。空室マンションではこのようなことを当然のように行って集客・売却しているのです。こういった物件と戦わなければならないということを肝に銘じて戦略を練りましょう。

もちろん先述のサービスを受けるには金額もかかりますが、そもそもの不動産の金額が大きいので費用対効果を見極めて必要に応じて利用することをおすすめします。

売却を想定した住み方をする

もう1点は売却を想定した住み方をすることです。
今まで見た売主さんの中には

「そこまでするか?」

というくらいの徹底ぶりで売却を想定して住んでいた人もいました。
例をいくつか列挙します。

・シューズインクローゼットには布を敷いて、棚が汚れないようにした
・猫を飼っていたがいる部屋を限定した
・売却前に綺麗なクロスを張り替えた(自分で貼って、自分で剥がせるもの)
・魚焼きグリルがついているが一度も使わない
・ウォシュレットを一度も使わない

etc...

などなど、どれも清潔さや生活感を出さないことを考えた上での対応です。もちろん自分の家なのにそこまで気を遣いたくない!という方も多々いるかと思いますが、価値を高めて売るためにここまで考えている人もいるということを知ってもらえればと思います。
これは先ほどの古着の話でもそうです。シャツを売る時にトルソーにシャツだけじゃなくジャケットやパンツを着せてベルトなどの小物も合わせる、といったことをしている出品者もいるのです。これもある意味で想像を膨らませることで購買意欲を持たせる戦略と言えるでしょう。

古着ですらこういったことを行っているのですから、金額が非常に高価な不動産でやらないのはおかしいと思いませんか?ぜひ今一度、自分の不動産を”商品”として捉えなおし価値を最大化できる努力をしましょう。

売却資料を作成する

売却資料を作成するのも手です。
これは個人的なつながりのある人のために作成し、効果的だったのでたまに依頼を受けて作成しています。具体的には以下の項目を載せてまとめた資料作成をしています。

・分譲時パンフレット
・部屋の綺麗な写真(写真編集ソフトで加工済み)
・周辺施設のまとめ
・公共交通機関まとめ
・ライフステージの変化による使い方や間取り変更案
・同条件他物件との価格比較
・同マンションでの売り出し価格との比較
・同マンションの価格暴騰表

etc...

など、”不動産会社では逐一対応してくれないけれどあると嬉しい資料”を作成することによって、購入を後押しするための材料になります。もちろん物件によって出すべき情報と出すべきではない情報は精査する必要がありますが、きちんと作成するととても使える武器になります。
作成費用は内容によりますが3~5万円程度(15~20P)ですので、興味がある方は問合せフォームからご連絡下さい。
見積もりは無料です。

まとめ

いいかがでしょうか。
居住しながら売却するというのは簡単ではありません。生活しながら生活感を無くす、というのはなかなかできることではないです。そのためには外注しようが何をしようが、自分が営業マンとなったつもりで商品を絶対に売り切る!というスタンスで取り組む必要があります。

もちろんのんびり売れればいいや、金額は多少下げてもすぐ売れればいいや、という方もいると思いますのでそういった方はそのままのスタンスで良いと思います。

しかし、価値を高めるために何をすべきか考えて行動に移すということは単にお金が浮くという金銭面だけの話でなく、日常生活や仕事にもきっと良い影響を与えてくれるでしょう。

ぜひこの機会に売却のためにできることを検討してみてはいかがでしょうか。

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