デザイン 建築 日常

【総額4万円以下のDIY】ダイニングテーブルを作ってみた【後編】

スポンサーリンク

さて、前回はダイニングテーブルが必要になってからDIYを決意し、部材を購入するまでをお伝えしました。

【総額4万円以下のDIY】ダイニングテーブルを作ってみた【前編】

今回は具体的な組立、仕上げまでの過程を詳しく書いていきます。
大きくは天板の加工、面取り、塗装の3つの工程に分かれます。

天板の加工をする

まずは天板の加工です。今回、脚は既製品のものを購入したので取り付けるのみです。本当は金属の溶接からやりたかったのですがそもそも免許も無いので、その内、溶接の免許は取り自分で溶接できるようになりたいと思います。

詳しい作り方は脚を購入したペイント工房でも紹介されているのでそちらも併せてご覧ください。天板を買う際は推奨されている板の厚さや長さをしっかりチェックしましょう!板が薄いとたわみやすかったり、脚との接合金物を入れる余裕がなかったりするので。不明な場合はお店に問い合わせると対応してもらえます。

厚みは一般に25㎜以上必要と言われています。また、長さが1500㎜を超えてくるとたわみ防止材が別途必要になることが多いのでコストは上がるということを念頭に置いておきましょう。

前置きが長くなりましたが実際の施工手順を追ってご紹介します。

開封

脚と天板が届きました。
天板は長さ1500㎜、幅610㎜、厚さ30㎜の赤松の集成材です。
脚は高さ680㎜、幅590㎜、奥行き70㎜です。
色はブラックの粉体塗装で、付属品としてジョイントボルトM6(長さ35mm)×16個、鬼目ナットM6×16個がついてきます。2本1組で2万円程度です。
脚を買う時は付属品がどこまであるか確かめましょう。場合によっては金物が別売りの時もあります。

脚のディテールはこんな感じ。
穴が開いているのは天板と脚を取り付けるボルトのためです。

板はこんな感じ。結構重いので女性1人での作業は少し大変かもしれません。また、集成材は角が直角なので自分にぶつけたり、部屋の床や壁にぶつけると結構なダメージになりますので注意してください。板の梱包材を養生代わりに使うと良いでしょう。

側面はこんな感じ。角にバリがあるので紙やすりやトリマーで断面の処理をして下さい。特に角を丸めてあげるとぶつかった時の危険性も減りますし、テーブルに手を載せた時でも角がひじに食い込んで痛いこともなくなります。
さらに、既製品の家具を見ると分かりますが一見直角でも角は面取り(角が丸まっていたり、45度にカットされていたり)されていることに気付きます。こういったコーナーや断面の処理を行うか行わないかで同じDIYでも完成度が段違いなのでぜひコーナーの処理をしてください。

紙やすりでコーナーを面取りした写真がこちら。直角感が無くなるだけでかなり柔らかい雰囲気になります。写真の時系列が変わってしまいますが、私は脚を取り付けてから面取りしました。その方が天板の上下の角全て一気に処理できるのでおすすめです。床に置いておくと上の面しかできないですからね。
木くずが飛び散るので部屋の中で行う時はシートなどを敷いておくのをおすすめします。

脚の取り付け位置を決める

話を戻します。まずは脚の設置位置を決めましょう。
注意点ですが、天板を買う時に脚のサイズよりも天板幅が大きいことを確認しましょう。脚の取り付け位置は幅方向に対して均等になるようにしるしをつけます。今回は天板幅が610㎜、脚幅が590㎜なので左右に10㎜のところに取り付けます。

長さ方向の位置ですが今回は端部から30㎜の位置に取り付けました。ここは好みがあると思いますがギリギリだと取り付け部分が見えてくるので、すっきりとした印象にするために少し奥まらせました。

また、天板の厚みと合わせることで見えてくる寸法の数を整理し、シンプルに見えるよう心掛けました。建築設計でもそうですが似た色や似た寸法がいっぱいあるとごちゃごちゃして見えるので、できるだけなにか引用できるものがあればそれと合わせると失敗しにくいです。

脚の取り付けをする

さて、位置が決まったらボルトを締める穴のところに鉛筆や錐などで印をつけていきます。この印が後ほど穴あけの基準となります。
印がついたら一旦脚を外して穴あけ作業に入ります。今回天板に埋め込む金物の径が9mmだったので9mmの穴あけビットを購入しました。

今後も色々なDIYするよ、という人はセットを購入しても良いかと思います。

ちなみに私はもともとインパクトドライバーがあったのですが無い人は購入orレンタルする必要があります。ドライバーは割と使う機会あるので購入しても良いかと思います。nabeが使っているのはRYOBI BD-1250です。インパクトドライバーはRYOBIかMakitaをおすすめします。DIYで使う程度なら1万前後のもので全く問題ありません。

あんまりインパクトドライバー使わないから購入するのはなー、という人は工具のレンタルサービスもあるので検討してみて下さい。最安1400円からレンタル可能です。

http://www.rentaltry.com/electrictools2/newpage23.html

穴をあけすぎると天板を貫通したり、薄くなってしまうので強度低下につながります。深いと鬼目ナットが沈んでしまうので、鬼目ナットの深さと同じ分だけ穴をあけます。逆に浅いと金物が飛び出し脚の取り付けが綺麗にいかないので、ビットにテープを張るなどして印をつけておきましょう。ゆっくり慎重に行います。

この穴に付属品の鬼目ナットが埋め込まれます。
ナットの埋め込みは六角の6番を使います。六角も自転車の整備などで使うことがあるのでない人は6番だけでなくセットを購入しておくのが良いと思います。数百円で購入できます。100均などでも売っているのでそれでも大丈夫かもしれません(多少強度が不安ですが。。。)

全部の鬼目ナットの埋め込みが完了!
次は奥に見えているボルトを締めていきます。

脚を載せてボルトを締めていきます。
いきなり全部きつく締めずに、全部軽く締めてから最後にきつく締めましょう。

反対側も同様の手順で行い、取り付け完成。
所要時間は約1時間です。

裏返すとこんな感じ

塗装を行う

さて、このまま完成でも良いのですが、ダイニングテーブルとして使う場合汚れや水への耐久性が必要になりますので塗装をすることをお勧めします。
また、どうしても集成材をそのまま使うとDIY感が丸出しなので安っぽく見えがちです。完成度を上げるためにも塗装を推奨します。特に重要なのが、部屋の雰囲気やすでに部屋にあるその他の家具との色味のバランスが取れているかどうか、です。うまく色合わせができると統一感が生まれて部屋全体のクオリティが上がるので、そういった視点で色味を選択しましょう。

塗装剤の選び方

nabeが選んだのはこちらのオスモカラーという塗料です。

オスモカラーは、植物油(ひまわり油、大豆油、あざみ油)と植物性ワックスからできた自然塗料です。
その最大の特長は「木の呼吸」を妨げないところ。
ウレタン塗料のように表面に塗膜を張るのではなく、内部に深く浸透することによって木本来の調節機能を発揮させ、
四季を通じて心地よく健やかな住空間づくりに貢献します。
化学物質を一切含まず、食品と同レベルの高い安全性を誇るから、小さなお子様のいるご家庭でも安心。
木の心地よさを存分に引き出す、人と自然にやさしい塗料です。

https://osmo-edel.jp/product/osmocolor/

撥水性や防汚性は当然のことながら自然由来の素材を使っているので、毎日食事をするダイニングテーブルに相応しいと思い選定しました。その中でも、内装家具に使用できるオスモカラー ウッドワックスを選定しました。

サンプルを請求するとカラーチップを送ってもらえるので必ずそれを確認した上で発注するようにしましょう。ダイニングテーブルは面として見えてくるのでかなり部屋の印象を左右します。慎重に選びましょう。

部屋に使われている色味との関係性を確認します。

折り曲げたりして隣り合わせて見ることが重要です。

色の選択をする際に重要なのは、
色相、彩度、濃淡です。

色相:部屋に赤系のチェリー材の色があるのにブラウン系のオークを入れると部屋の色相がまとまらなくなってしまうので、色の系統がまず重要です。また、完全に色合わせするのは難しく、合わせにいって微妙に違う方がかえって気になるので微妙に違うなら割り切って違う色を選択することをおすすめします。

彩度:部屋がグレイッシュなのに1つだけオーク材のような彩度高めの色があったりすると浮いてしまいがちなので注意しましょう。逆もしかりです。

濃淡:床が薄い色味なのにダイニングテーブルも薄い色味だとパッとしません。メリハリが大事です。

以上を踏まえ、今回はチークを選定しました。
ちなみに塗装したい材料の端材をオスモカラーに送ると試し塗して送り返してくれるサービスをやっているので、時間がある方、絶対に失敗したくない方は利用してみて下さい。
容量ですがダイニングテーブルだけでなく、天板の残り半分のデスク用及びキッチンの棚のことも考えて0.75Lを選定しました。ダイニングテーブルだけなら0.25Lでも問題無いと思います。ちなみに塗料には刷毛はついてこないので刷毛も併せて購入しました。

塗料を使い切らずに別なタイミングで使う場合、刷毛を洗わないと塗りにくいので洗浄液も必要に応じて購入しましょう。

塗装の準備と注意点

さて、塗料と刷毛が到着しました。
左から缶開け、刷毛、かき混ぜ棒、塗料です。

塗装する場合は屋外か換気の良い室内で行いましょう。また、汚れを防止するために床や壁を養生しましょう。また、汚れても良い服装で行います。
また、乾燥には湿度や気温が関係してくるのでできるだけ晴れた日に行います。乾燥は12時間以上かかるので、途中から雨が降らない日が推奨です。

また、天板の面取りは塗装の前に確実に終わらせておきます。今回は紙やすりでの手作業で面取りをしました。集成材は直角で危ないので面取り必須です。

約10分程度一通り面取りをするとこんな感じになります。かなり柔らかい雰囲気が出たと思います。コーナーは家具の印象に大きく影響するので、きちんと処理を行います。

また、コーナーだけでなく、天板の上も全体的にやすりがけをするとより塗料が乗りやすくなるので天板の面もやすりがけしましょう。特に切断面は塗料が広がりにくいので、しっかりやすりがけして滑らかにします。

塗装スタート

さて、塗装開始です。最初に床、壁などに汚れが付かないよう養生を行うことを忘れずに。また、窓を開けたり換気扇を回すなど換気の良いところで行ってください。
缶を開けてかき混ぜ棒でかき混ぜます。

本来は目立たないところで試し塗りするんですが、面倒くさがりなのでいきなり塗り始めます。

厚塗りにならないよう薄く広げていきます。木目に沿って塗りましょう。力を入れると塗り始めのところに模様ができやすいので、リラックスして優しく塗り広げます。

集成材の断面は塗料が乗りにくく、広がりにくいので事前のやすりがけをおすすめします。私もやすりがけしたのですが少し甘かったのでなかなか広がりにくかった。笑

所要時間約45分で塗装完了です。ちなみにこれは上部の面と前後左右の小口断面までで、裏面は未塗装です。下に入り込めば見えますが基本的に見えないことと塗料の節約をするために天板6面の内、5面しか塗っていません。塗り残しが気持ち悪い、という方は塗っても良いですが、その場合脚に塗料が付かないようにマスキングテープなどを張って養生をしましょう。

あとは12時間以上乾燥させれば完成です。

完成!

そして12時間後、無事完成しました!パチパチパチ!

黒のシャープな脚との相性が良くとてもいい感じに仕上がったので満足です。

完成に必要な物と日数とかかった金額まとめ

さて、ここで必要なもの、日数、総額をまとめます。

物と金額一覧

天板:8140円(16280円の天板を半分にカットしたため)
脚:20920円
鬼目ナット:付属品
鬼目ボルト:付属品
穴あけビット:約1000円
インパクトドライバー:自前
六角6番:自前
紙やすり:自前
塗料:約2000円(6000円の塗料の約1/3を使用)
刷毛:765円

総額約32825円でした
インパクトドライバーや六角、紙やすりは元々持っていたのですが、もし購入、レンタルするとなった場合もう少し値段はアップします。レンタルは最安1500円程度なので足しても3万5千円以下で作ることができます。

必要な日数

天板と脚の取り付け:1時間
紙やすりでの処理:10分
塗装:45分
乾燥:12時間
その他(開封、養生、片付けなど):1時間

合計約16時間でした

物さえ揃っていれば1日で十分にできる内容です。
事前の準備が重要ですね。

反省点

さて、反省点です。
nabeの場合、断面処理をトリマーで行いたいと思っており、トリマーを購入するかレンタルするか迷っていました。断面の処理ができないと塗装ができないため、天板と脚の取り付けから塗装まで日が空いてしまいました。塗装前からダイニングテーブルとして使っていたため、汚れやコップの水あとが残ったのが反省点です。

普段はほとんど気にならないですが角度によっては目立ってしまいます。できれば塗装前に使うのは避けるか、なにか敷いておくことをお勧めします。
それでも万が一汚れてしまった場合は、半透明の塗装の場合2度塗りをしたり、完全に塗って消してしまう、という方法で対応しましょう。
今回は早く使いたいので2度塗りせずに使うことにしました。笑

天板中央右下にコップの跡が残る

まとめ

今回の検証で、約3万5千円で、しかも1日で立派なダイニングテーブルを作ることができることが分かりました。子供ができたらサイズの大きい天板にしたり、汚れが目立ってきたりしたらまた天板を買い替えることで、新たに蘇らせることも可能です。そういった点でも天板+脚を購入してDIYでダイニングテーブルを作る、という選択肢は良いかと思います。

ぜひお気に入りのダイニングテーブルを作ってみて下さい!

-デザイン, 建築, 日常

© 2024 Designabe Powered by AFFINGER5