今日は建築ヴィジュアライゼーションソフトであるTwinmotionの新機能"Twinmotion Cloud"を使い、Google Chromeなどのウェブブラウザーで誰でも3DCGが見れたり動かせたりすることができる方法を書いていきます。
Twinmotion Cloudとは
まずTwinmotion Cloudについて。
これはCloudとあるようにTwinmotionが持っているクラウドサーバーのことです。
Google photoやAppleユーザーなら使っている人も多いicloudなどデータをパソコンやスマホ本体ではなくクラウド上に保存する仕組みと同様です。Twinmotionで作成したデータをTwinmotion Cloudにアップロードすることで、今まで特別な3Dソフト(SketchupやRhinoceros、3dsmaxやMayaなど)がないと開いたり動かせなかった3Dデータが、パソコンのブラウザーで見たり動かしたりできるようになります。
実際に使っている様子
まずは実際に使っている様子を見てみましょう。
プロジェクトの進捗共有に最適
仕組みとしては詳しく解説していきますが、まずはTwinmotionのデータを作成している人がURLを発行し、見せたい人にメールやチャットで共有します。受け取った人はURLを開くだけでブラウザ上で3Dデータを見ることができます。
これによっていつでもどこでもデータを確認することができるので、クライアントや学校のグループワークのチームの人が常に状況を見ることができます。ただし、リアルタイムで同期するわけではなく、更新をしないと最新にはならないです。
また、URLと一緒にパスワードを設定できるため万が一URLが漏れてもパスワードを設定しておけばプライバシー管理もできるので仕事上で使うにも安心です。
2022年2月現在パソコンでのみ閲覧可能
残念ながら2022年2月現在、見れるのはパソコンでのブラウザのみです。スマホでは見れないのでご注意ください。またOculus Quest 2 で見ればVR的に見えるのか?と思い試しましたが見れませんでした。ただ今後は対応していくだろうなーと思っています。HMDのブラウザでVRで見せれるようになったらかなりいいなーと思うので実装が進んで欲しいです!
Twinmotion Cloudにデータをアップロードする方法
Twinmotionを開きEpic Gamesアカウントにサインインする
Twinmotionの左上のファイル>Epic Gamesにサインインをクリックしてサインインをします。サインイン済みの場合は「(アカウント名)でサインイン済み」という表示になっているので特に何もしなくてOKです。
サインインしていない場合はブラウザにとばされ、Epic GamesとTwinmotionの連携の許可を求められるので許可するを押してください。
ブラウザでのサインインが終わるとTwinmotionの方で下記のような表示が出ます。ここまででサインインの作業は終了です。
Twinmotion Cloudにデータを送る
サインインが終わったらデータを送ります。送るのは簡単で、上部にある「クラウドへのプッシュ」を押します。これを押すことでどんどん更新していくことができます。ただし上書きされてしまうので前のデータを残したい場合はTwinmotionデータを複製して別プロジェクトにすると安全です。
人によっては「クラウドへのプッシュ」のボタンがない人がいるかもしれません。そういう人は右上の目のマークをクリックして下部のナビゲーションを表示ボタンを押すことで表示させることが可能です。
「クラウドへのプッシュ」を押すと転送が開始されます。データはパッと送れる訳ではなく意外と時間がかかる(データによりますが数分くらい)のでしばらく待ちます。
転送が終わったら下部のTwinmotion Cloudを開くを押します。するとブラウザに飛びます。キャンセルを押してもデータ自体はクラウドへ送られているので後から確認することも可能です。
Twinmotion Cloudでの共有設定とデータの確認方法
Twinmotion Cloudに表示されているURLとパスワードを共有する
ブラウザ上ではこのような画面になります。右下にあるURLとパスワードをコピーして共有することで他の方もデータを見れるようになります。ちなみに過去にアップロードしたデータも残っていますがURLとパスワードを共有しても見れるのはそのデータだけなので安心してください。他の方がここに表示されているデータ全てを見れるわけではありません。
途中で共有したくなくなった場合や共有したメンバーが離脱(クライアントのうち1人が転職するなど)した場合、セキュリティを考慮してパスワードを変更することも可能です。右下の「新しいパスワードを作成」を押し、次に「新しいパスワードを作成」を押すとパスワードが変更されます。表示されているように、今までのどおりデータを共有したい人には改めて新しいパスワードを共有する必要があります。
ブラウザ上で3Dデータを見る、動かす
実際に3Dデータを見てみましょう。右のサムネイルにある「表示」を押すだけです。
開くのにも多少時間がかかりますが何もせずに待ちましょう。
3Dデータが開かれるとこのように見えます。URLとパスワードを共有した相手がアクセスしても同じ画面になります。操作方法が載っていますのでよく確認しましょう。共有した相手にはトラックボールありのマウスを使って見るのをお勧めしておいてください。3Dをぐりぐり動かす際にノートパソコンのパッドだけだと結構難しいからです。
3Dを動かす際の設定
ブラウザ上で3Dを動かす前に設定を変更することをお勧めします。右上の「設定を開く」を押してください。
すると右側から詳細設定の表示が出てきます。
変更するのは主に3つあります。
・「速度」を1
・「交通モード」を歩く(※上下移動ができなくなる。人間は浮かないので…)
・「目の高さ」を任意の数値に変更
これでOKです。
3Dデータの操作に慣れていない人は移動スピードが速かったりぐりぐり動かせる状態だと、モデルから遠ざかってしまったり壁の中に入ってしまったりしてうまくみることができません。なのでURLとパスワードを共有した相手にもこの設定をお勧めするとよいかと思います。ただし、広い空間のデータだと速度が遅いと逆にストレスになったり、上下移動ができないのでその場合は事前に自分が触ってみてベストだと思う設定を確認してから共有相手に伝えるとよいでしょう。
もし変なとこに移動してしまったり、訳が分からなくなったり、遠い場所に移動してしまい最初の位置に戻りたい場合は、三角形の再生ボタンを押せば初期の位置に戻れるので安心です。
あとは好きに動かすだけ
以上でTwinmotionで作った3Dデータのアップロードと閲覧時のセッティングが終わったので後は自由に動いてみてください。Twinmotionから直接アップロードできるので動いている人やゆらめきのある植栽や噴水の動きも再生され、マテリアルとして映像データを張り付ければそれも再生できます。今までの静止画パースよりもさらに臨場感があり、分かりやすい伝え方が可能になります。
まとめ
今回はTwinmotion Cloudを使って3Dデータを共有し、ブラウザー上で